2001年10月

2001年10月20日

日本女子大学数学同窓会は2001年11月3日、日本女子大学創立100周年を期に初代会長に本学久保淑子教授を選出し、設立されました。「日本女子大学数学同窓会」は年代を超えて卒業生の親睦を図り、仕事・家庭・社会と広く女性の生き方を考えていくためのネットワークとして、数学卒業生の元気を応援していくことを目的としています。

1901年創立以来日本女子大学の卒業生は6万人以上になります。卒業生たちの会はいわゆる同窓会というより生涯学習の視点から創立者により第1回卒業生より「桜楓会」として組織され、大正9年には社団法人となっています。このほど各特殊法人の見直しにあたって桜楓会も名称を「社団法人日本女子大学教育文化振興桜楓会」と変更し、創立者の意向をはっきりした形で受け継ぎ事業展開される見込みです。
 桜楓会員は専ら日本にある164支部、ニューヨーク、ロンドンなど世界に広がる7支部を通じで活動していますが、学科の結びつきも強く、○○学科同窓会あるいは○○学科縦の会を作っているところが多くあります。百年館の中にも「縦の会」という一室が設けられ、学科分のロッカーが置かれています。日本女子大学における「数学」の歴史は古いのですが、「数学科」として昔も今も存在したことはなく、「数学同窓会」も特に設置されることなくきました。
 女子の高等教育の中でも理科教育の必要性を創立者は認識し、数学・物理・化学・生物に力が入れられてきました。特に理科実験室などは当時帝国大学に匹敵すると言われたり、実験着としていわゆるかっぽう着が考案されたという歴史を持っています。その中で数学は、家政理科の基礎理学として位置づけられていました。戦後新制大学発足とともに家政学部家政理学科1部物理化学専攻において「数学科」の免許状を取得する学生達が現れ、その数も段々増えていきました。文部省が、教職免許の課程申請制度を導入するにあたって、この実績をもとに「数学科」「理科」を認可しました。そういえば戦前東北帝国大学への女性の入学の道を開くことになったのも教員資格試験の成績でありました。現在、文部科学省によって、本学理学部数物科学科は「数学科」「理科」「情報科」の3つの免許状が認可されています。
このように「数学」の歴史は単純ではありませんが、学部・学科はどういう形であっても、「数学」が好きで「数学」を学んだ学生達が連綿と続く中で、これら約1800人の卒業生を包含して「数学同窓会」を発足させたわけであります。幸い旧制の方々と新制13回生までの方々で「野中会」という会が、野中先生を中心に以前から組織されていました。野中先生は日本で初めて統計的手法を用いて官能検査を行った方で、野中先生のもとに育った学生達はすごく、多方面で活躍なさり、現在も多くの方が現役で活躍していらっしゃいます。その先輩方と、各部署でおおいに活躍している新制14回生以降の後輩方をつなぐことで概ね名簿が整備されました。ボランティアで名簿の整備から始め、同窓会第1回総会の準備をしてくれた卒業生達の努力・苦労は並大抵ではなく、動き助けてくれる全国にいる沢山の卒業生達がいてこそ、であり、数学研究室の全面的支援を受け、どうにか出発した、というところであります。卒業生の皆さんのご支援・ご協力により、すてきな活動をして行きたいと思っております

sugakudososugakudoso at 21:55│コメント(0)トラックバック(0)